撮影時のスタイリングはとても慎重に行う必要があります。
それぞれのシチュエーションに合わせたスタイリングのコツについてお伝えしましょう。
写真・静止画撮影に合わせたスタイリングとは?
静止画を撮影する場合多くは、メーカーさんが服を用意してくれるカタログやWebページの写真であれば、ブランド毎のコンセプトもありますので、いかにモデルさんにストレス無く次のお洋服を準備出来ているか、靴は履きやすいようにセット出来ているかなど先回りできる内容も限られています。
またお洋服のサイズが合わない場合でもクリップを使って微調整することができ、ポージングでカバーすることも出来るので、静止画は比較的難易度は低めです。
宣材写真とは
宣材写真は宣伝材料用写真の略称である。 所属する芸能人等を売り出すために芸能事務所がクライアント向けに撮影する写真で、通常同じ服装でさまざまなポーズを撮影したものが複数カット用意される。芸能事務所がクライアントより仕事の依頼を受ける際や、芸能事務所自身による芸能人を売り出すための営業活動に使われる。
引用元:ウィキペディア(Wikipedia)より
・モデル宣材写真
主に新規の仕事を取るために使われる資料であり、モデルさんのキャラクターや雰囲気を損なわず、より良く見せるためにお洋服を選ぶ必要があります。
この場合に有効なのがパーソナルカラーです。
モデルさんの肌質や顔の系統に合わせて変える必要があります。
また表情を明るく見せるために背景が白になる事が多い為、同系統の白い服を選ぶ事はあまりありません。
同じ理由でコントラストが強くなってしまい、顔色が悪く写る可能性の高い黒もあまり選ぶ事もあまりありません。
(クールな印象を強く見せる場合は例外的に黒を着用することもあります。)
基本的には事務所側が売り出したいイメージを既にお持ちなので、イメージに則したお洋服をご用意して撮影に臨みます。
色毎の簡単なイメージ
- 黄色→明るくよく話すモデルさん向け
- 水色→爽やかで知的なモデルさん向け
- 赤色→司会者や場を仕切るモデルさん向け
など、1例ではありますがお洋服でイメージ戦略をされているモデルさん、事務所さんが多いのは確かです。
動画撮影に合わせたスタイリングとは?
動画でのお洋服選びは、動画の種類にもよります。
イメージ優先
イメージ優先の場合はモデルさんが話すシーンは無く、静止画に近いイメージでお洋服選びを致しますが、動画・静止画での大きな違いは、お洋服のサイズ選びが間違えられないことです。
というのも、視覚的に全体を撮影することや、動きを伴うために、クリップ等でサイズの調整を行うことが出来ないからです。
素晴らしく美しい体型のモデルさんであっても、サイズの合っていないお洋服を着ていただくと魅力が半減してしまうので、動画撮影の場合のお洋服選びには必ず衣装合わせの時間が設けられる事が多いのです。
ですので、静止画よりもシビアにお洋服を選ぶ必要があり、衣装合わせも必要なので必要とする時間が静止画に比べて2倍以上かかることもあります。
話すことがメインのYouTubeやテレビへの出演
イメージ動画と違い話すことがメインになる動画出演の場合には、話す内容で服装を変えています。
それは一般の方でも同じで、所謂真面目な話をしなければならないのにカジュアル過ぎる普段着での出演は服装が気になって話が入ってこなくなる恐れがある為、気をつけてお洋服をお選びしています。
モデルさんも最近ではテレビ番組はもちろん、YouTubeへの出演が増えてきています。
そんな時は何に注意してお洋服を選んでいるのか?
YouTube出演編
YouTubeへの出演は多くても3人程度まで、又はお1人で出演されることが多いため背景の邪魔にならないお洋服が求められます。
幸か不幸かバストアップ(上半身のみ)の撮影が多いため履き物に注意する必要が無いですが、その分小物に重きを置いてスタイリングする必要があります。
また複数の動画を一日で撮影する事が多いので、YouTubeの視聴者の方の興味を引くためにサムネイル画像で目立つようなお洋服を選ぶようにしております。
テレビ番組編
テレビ番組出演ではご本人の性格を重視しつつ、事務所さんの意向や番組の内容によって柔軟に変える必要があります。
番組自体の放送時間帯朝なのか、昼なのか、夜なのか、又は他の出演者さんと服装が似ていないか等も考慮する必要があります。
お洋服が似通ってしまうと、折角のテレビ番組出演でも存在感が薄れてしまうからです。
あまりにも流行のお洋服を提案すると被ってしまう可能性があるので、最大3~5コーデは当日に準備しております。
特にロケ番組の場合は靴が写ってしまうので、つま先から頭のてっぺんまで気を配りスタイリングをしております。
スタイリングは撮影時に自分を売り込む武器になる
撮影のスタイリングは、商品であるモデルさんが第1優先であることは間違いありません。
服装選びだけで今後の将来が左右されたり、事務所さんやクライアントさんの売上が変わってしまうからです。
服装は自分を売り込む為の大きな武器になりうるのです。