『バーチャルモデル』は人間の仕事を奪うのか?AIと共存する未来のモデル像

「バーチャルモデルの登場で、いつか人間のモデルの仕事はなくなってしまうの…?」

最近、SNSや広告でリアルなバーチャルヒューマンを目にする機会が増え、モデルを目指すあなたや、現役で活動しているあなたは、そんな不安を感じているかもしれません。

この記事では、そんなモヤモヤを解消するために、私たちMODEL Bookmark編集部が「バーチャルモデルの今」と「人間のモデルの未来」を徹底解説します。

バーチャルモデルが得意なこと、そして人間にしかできないことは何なのか。

この記事を読めば、AIが決して怖いだけの存在ではなく、未来の可能性を広げるパートナーになり得ることが分かります。
AIと共存し、さらに輝くためのヒントを一緒に見つけていきましょう。✨

まず知っておきたい「バーチャルモデル」の基本

そもそも、バーチャルモデルって何?

バーチャルモデルとは、最新のCG(コンピュータグラフィックス)やAI技術を駆使して創られた、実在しない架空のモデルのことです。

InstagramなどのSNSを中心に、まるで実在する人間のようにファッションを着こなし、ライフスタイルを発信しています。

アニメ風のキャラクターで活動するVTuberとは異なり、バーチャルモデルは「本物の人間と見分けがつかないほどのリアルさ」を追求しているのが大きな特徴です。

代表的な存在として、ピンクのボブヘアが印象的なimma(イマ)ちゃんがいます。
彼女は数多くの有名ブランドとコラボレーションし、世界中に多くのファンを持つ、まさに新しい時代のファッションアイコンです。

関連: バーチャルモデル「imma」とは何者なのか 彼女が語る現代の 「あたらしいリアル」とは—

なぜ企業はバーチャルモデルを起用するの?

では、なぜ多くの企業がバーチャルモデルに注目し、広告などに起用するのでしょうか。
その背景には、企業側にとって大きなメリットがあるからです。

  • スキャンダルや炎上のリスクがない
    モデル自身のプライベートな問題で、ブランドのイメージが傷つく心配がありません。
  • 表現の自由度が高い
    人種や年齢、スタイルといった身体的な制約はもちろん、物理法則さえも超えたクリエイティブな表現が可能です。
  • 24時間365日稼働できる
    時間や場所を選ばず、いつでもどこでも最高のコンディションでプロモーション活動を行えます。
  • ブランドイメージを完璧に体現
    企業が伝えたいメッセージや世界観を、100%理想通りに体現するキャラクターをゼロから創り上げることができます。

このように、企業にとってバーチャルモデルは、ブランド戦略をコントロールしやすく、非常に魅力的な存在なのです。

AIと人間モデルの得意分野比較

【本題】バーチャルモデルは人間の仕事を奪うのか?

企業にとってメリットの多いバーチャルモデル。
その影響で、人間のモデルの仕事が減ってしまうのではないかと心配になるのは当然のことです。

ここでは、客観的な視点で「代替される可能性のある仕事」と「人間にしかできない仕事」を冷静に見ていきましょう。

代替される可能性がある仕事

AIやバーチャルモデルが得意とするのは、膨大な作業を効率的にこなすことです。
そのため、一部の仕事は今後、AIに置き換わっていく可能性があります。

例えば、ECサイトに掲載される大量の商品着用画像。
同じ背景で、決まったポーズを繰り返すようなパターン化された撮影は、AIモデルの方が低コストかつスピーディーに生成できる場合があります。

また、表情や動きのバリエーションが少ないカタログ撮影など、単純なポージングが求められる仕事も、AIが得意とする領域と言えるでしょう。

これからも「人間のモデル」にしかできない仕事

しかし、モデルの仕事のすべてがAIに奪われるわけでは決してありません。
むしろ、AIには絶対に真似できない、人間だからこその価値が、これまで以上に輝きを増していきます。

「AIは多くのことを模倣できるが、人間の魂の深さ、感情の機微、そして生身の人間関係から生まれる化学反応を再現することはできない。」

これは、あるクリエイティブディレクターの言葉です。
まさに、これからのモデルの価値を象徴しています。

具体的には、以下のような仕事は「人間にしかできない」領域です。

1. 感情やストーリーを伝える表現力

喜びの笑顔、切ない眼差し、力強い意志。
目線や表情、息遣いのわずかな変化で複雑な感情を伝え、見る人の心を揺さぶる力は、生身の人間ならではのものです。
ブランドが持つストーリーや背景を、自身の人生と重ね合わせて表現する力は、AIにはありません。

2. 撮影現場での偶発性(ハプニング)や化学反応

フォトグラファーやヘアメイク、スタイリストとの何気ない会話から、想像もしていなかった奇跡の一枚が生まれることがあります。
その場で生まれるインスピレーションや、チームとの共同作業から生まれる予測不能な化学反応こそ、クリエイティブな現場の醍醐味です。

3. ファンとのリアルな繋がりと共感

イベントやライブ配信、SNSでの直接的なコミュニケーションを通じて生まれるファンとの絆。
モデルの生き方や考え方に共感し、「この人みたいになりたい」という憧れや熱狂が生まれます。
この人間的な繋がりこそが、強力なエンゲージメントを生み出すのです。

4. 独自の個性やライフスタイルそのものが価値になる

あなたのファッションセンス、趣味、大切にしている価値観。
そのすべてが「あなたらしさ」という唯一無二の魅力になります。
モデル自身のライフスタイルそのものが、ブランドのメッセージとなり、ファンを惹きつける強力なコンテンツになるのです。

AIと共存する未来へ。これからのモデルに求められる3つのこと

AIの登場は、モデルという仕事のあり方を大きく変えようとしています。
これからの時代を生き抜くモデルには、単に美しい被写体であるだけでなく、新たなスキルが求められます。

ここでは、AIと共存し、さらに輝くために必要な3つのことをご紹介します。

1. 自分だけの「世界観」を発信する力

これからは、モデル自身がクリエイターとなり、自分だけの「世界観」を発信していく力が不可欠です。
SNSなどを活用して、あなたの好きなこと、考えていること、その感性を自分の言葉で表現してみましょう。
「この人だからこそ表現できる世界」を確立することが、AIにはない、あなただけの強力な武器になります。

2. コミュニケーション能力と「現場力」

AIには、撮影現場の空気を読んだり、クリエイターの意図を汲み取って期待以上の表現をしたりすることはできません。
スタッフと積極的に対話し、チーム一丸となって最高の作品を創り上げるコミュニケーション能力。
これこそが、人間ならではの「現場力」であり、あなたの価値を飛躍的に高めてくれます。

3. 企画・提案できる「クリエイター視点」

指示を待つだけでなく、「この商品なら、こんな風に見せたい」「次はこんな企画の撮影がしたい」と、自ら企画し提案できるクリエイターとしての視点を持ちましょう。
受け身の姿勢から、能動的に仕事を生み出す姿勢へ。
その主体性が、あなたを「替えのきかない存在」にしてくれます。

よくある質問(FAQ)

最後に、バーチャルモデルに関してよく寄せられる質問にお答えします。

Q: バーチャルモデルを作るのに、どのくらいの費用がかかるの?

A: 制作方法によって大きく異なります。簡単な画像生成であれば比較的安価ですが、immaちゃんのような精巧な3DCGモデルをゼロから開発する場合、数百万以上のコストと専門チームが必要になることもあります。

Q: バーチャルモデルに「中の人」はいるの?

A: リアルタイムでアバターを動かすVTuberとは異なり、特定の「中の人」は存在しないのが一般的です。CGクリエイターやマーケティングチームが、人格やストーリーを設定し、投稿などを計画的に制作・管理しています。

Q: バーチャルモデルに著作権や肖像権はあるの?

A: バーチャルモデルは「著作物」であり、その権利は制作者(多くは企業)に帰属します。そのため、無断で使用することはできません。人間のような肖像権はありませんが、キャラクターとしての権利は法的に保護されています。

Q: AIモデルと人間のモデル、企業はどう使い分けるの?

A: 大量の商品画像を効率的に作りたい場合はAIモデル、ブランドのストーリーや深い感情、憧れを伝えたい場合は人間のモデル、といったように「目的」によって使い分けられることが多くなっていくでしょう。

Q: これからモデルを目指すのは、もう遅いですか?

A: 全く遅くありません。むしろ、AIにはない「あなたらしさ」や「人間味」の価値が、これまで以上に高まっています。この記事で紹介した「これからのモデルに求められること」を意識して、ぜひ自信を持って挑戦してください。

まとめ

バーチャルモデルの登場は、決して人間のモデルの仕事をすべて奪うものではありません。

むしろ、私たちに「人間にしかできないことの価値」を改めて教えてくれる存在だと言えるでしょう。

パターン化された仕事はAIに任せ、人間はよりクリエイティブで、感情豊かな表現を追求する。
そんな「共存」が、未来のモデル業界の姿です。

大切なのは、AIを脅威と捉えるのではなく、自分の価値をさらに高めるためのヒントとして向き合うこと。

あなたにしか出せない魅力や表現力を磨き、AIには真似できない、唯一無二のモデルを目指していきましょう。

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◆監修|藤原 宏旨 - Hiroshi Fujiwara -

<経歴|Career>
モデルとして10年以上の実績を積み上げ、現役モデルとして活躍しながら現在はWeb事業を手掛ける株式会社リンクカラーの代表として活動。

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