一般的に「モデル」と聞くと、背が高くて、スタイルが良くて、雑誌に出ていて多くの若者の憧れの的になっている、ファッション誌やファッションショーの華やかな世界で活躍している人たちのことを「モデル」と認識している人が多いと思います。
ですが、モデル業界は、そのような華やかな世界の「モデル」だけでなくさまざまな「モデル」の種類が存在します。
その中の一つである、スチールモデルについて説明していきます。
スチールモデルについて
スチールとは、英語でstill(静止)の意味を指します。
一般的に使用される言葉ではないですが、スチール撮影とは静止画撮影で、動きのある映像の対語ということで、スチール撮影は基本的にモノ・人・景色などを撮影した静止画のことを指します。
また、静止以外にも動画や映画を撮影している際にまるで盗むように静止画を撮影することから、steal(盗む)が語源になっているとも言われていて、スチール撮影とは映像の一部を切り取った静止画、もしくは元々動きのない静止しているものの撮影を指し、そのスチールのモデルと言うことで、『スチールモデル』と言います。
プロモデルと素人モデルの違い
続いて、モデルの仕事を大きく区別した場合の「プロモデル」と「素人モデル」の違いについて理解していきましょう。
「プロモデル」は、モデルを専業として生計を立てている人です。
一般的に「プロモデル」は、事務所に所属し、ブランドや雑誌と契約して仕事を請け負います。
「素人モデル」または「読者モデル」は、学生や社会人でありながら、隙間時間でモデル活動をする人になります。
ですので、「素人モデル」は「プロモデル」より求められるものは低く「高身長である」「スタイルが良い」「ビジュアルが良い」といった必要はそこまでなく、より一般人に近い存在であることが必要となってきます。
また、「プロモデル」と「素人モデル」の違いとして、「素人モデル」が仕事の現場に行く際は、「プロモデル」より仕事の報酬が低く、交通費と別に大きな報酬がなくボランティア撮影の場合もあります。
スチールモデルはプロモデル
スチールモデルとして仕事をしているモデルのほとんどが、プロモデルです。
モデルの所属事務所や会社によって予算の都合で起用しているモデルは変わってきますが、ほとんどのスチールモデルはプロモデルが起用されています。
スチールモデルの仕事内容
スチールモデルはプロモデルとしての仕事内容がほとんどです。
プロのスチールモデルは、目線や脚の動き、指の先、頭のてっぺんにまで神経が行き届いた動きが出来ています。
仕事を依頼してくる側は、商品を売りたい、広告にお金をかけて宣伝使用としているので、商品が売れる、広告として価値があるかを見極めています。
ですので、素人モデルの場合は、見たらすぐにバレてしまいます。
でわ、実際にスチールモデルの仕事内容がどのようなものなのか説明していきます。
①商品撮影
売りたい商品を広告やカタログ用に撮影する方法です。
基本的にはスタジオに撮りたい商品を運び入れて撮影します。
②広告撮影
広告撮影は、主にチラシや雑誌、ホームページ用に使う写真を撮影することを指します。
広告写真は商品そのものを撮影するというよりも、雰囲気を重視して撮影されるものが多く見られます。
生活の一部として商品を入れ込んで撮影することはありますが、特に商品をアップにするということはありません。
とにかく、雰囲気や商品を使った場合の生活がイメージしやすいように、撮影を心がけています。
③ポートレート
ポートレートの場合、動きを撮影するわけではないため、モデルには基本的に動かないように指示が出されます。
撮影の合間にポーズ変更を行うことはありますが、撮影中は静止していることがほとんどです。
このようなお仕事は、プロモデルではなく素人モデルやモデルとして一歩足を踏み入れたモデルが撮影していることが多いです。
スチールモデルとして大切なこと
モデルいう職業には“身体的な条件”がつきまといます。
身長、体型、顔立ちがスチールモデルには求められる条件がそれぞれ仕事内容によって変わってきます。
俳優、女優さんは、仕事が決まってからの役作りで体型の変化を求められます。
スチールモデルは、撮影が決まってからではなく、オーディションや書類審査の段階で、それなりの体型は求められます。
そこが俳優やタレントとは大きく違うことで、努力だけではどうしても越えられないハードルにもなります。
だからこそ、常に自己を客観的に見つめ、その上で足りない条件を補う努力をし、自分に合ったマーケットに向けた自分磨きをすることがスチールモデルにとっても重要になっています。
また、そのマーケットを見つける力や深めていける力は、モデル個人に留まらず事務所のマネージャーの力量も関係していきます。
上記で説明したマーケットもさらに深く細分化されていきますので、モデル事務所やマネージャーがモデルにどれだけ向き合いコミュニケーションを取れているかが、良いモデルにつながるポイントにもなりますので、事務所選びにも最新の注意を払いましょう。